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民間企業から神戸市の係長へ転職。働き方はどう変わった?

民間企業のマネジメント職で培ってきたスキルは市役所でも生かせる。係長級で転職した2人の本音

令和6年度から始まった、神戸市の「係長級」での経験者採用。民間企業でプロジェクトリーダーや管理職を務めてきた人が、いきなり係長として市役所で働くのは難しいと考える人も多いのではないでしょうか。まったく違う業界から公務員の世界へ飛び込んだ二人に、転職を決めた理由や働き方の違い、そしてこれから発揮していきたい力について聞きました。

O. M.

須磨区総務部地域協働課 係長 令和7年度入庁【係長級採用・総合事務】

O. M.さん

人材サービス企業で10年間、アルバイト情報事業の営業職として企業の採用支援に携わる。兵庫エリアの営業部で管理職を務め、約20名のマネジメントを担当。現在は須磨区の職員として、市民と協働しながら地域の課題解決に力を注ぐ。趣味はバスケットボールと旅行。

N. Y.

建設局下水道部施設課 係長 令和7年度入庁【係長級採用・総合設備(電気・機械)】

N. Y.さん

プラントメーカーで18年間、下水処理プラントの計画・設計に従事。設計責任者として、社内外の関係部署を取りまとめるプロジェクトマネジメントを担ってきた。その経験と知識を生かして、現在は下水処理関連の設備工事の計画・設計や積算、技術基準の整備を担当。趣味は読書とお酒を飲むこと。

Qなぜ神戸市の係長に転職を?#1

お二人のこれまでの経歴について教えてください。

O.M.さん

私は人材サービス企業で、求人広告の営業や企業の採用支援に携わる業務を10年間担当していました。最終的には兵庫エリアの営業部長を任せられ、20人ほどの組織のマネジメントをしていました。メンバーの売上管理をしながら、営業に同行してフォローする時間もしっかり取っていました。

N.Y.さん

前職はプラントメーカーで、下水処理プラントの計画・設計・試運転業務に従事していました。下水汚泥焼却設備の新設工事では、設計責任者や事業総括責任者という立場で、お客様との協議から社内外のさまざまな部署の進捗管理や意見集約を行い、プロジェクト全体の取りまとめをしていました。

管理職を任されている中で、転職を考えたきっかけは何だったのですか?

O.M.さん

私の場合、きっかけはスマートフォンに表示された広告です。前職での仕事柄、Instagramの広告なども常にチェックしていました。そこに神戸市の広告が出てきたんです。いままで他社の広告でピンとくることなんて一度もなかったのですが、「海、山、街。神戸の全部が仕事になる。」というキャッチコピーを見た瞬間、なんだか「楽しそう」と思い、応募しました。 神戸生まれの神戸育ちで、前職では大阪勤務のときもありましたが、これからも神戸で暮らし、神戸で働きたいと思っていました。正直、前職が嫌だったわけではまったくないので、本当に迷いましたが、それ以上に「神戸のために働いてみたい」というワクワクした気持ちの方が大きかったので採用選考を受けることを決めました。

N.Y.さん

下水汚泥の焼却設備は、下水処理という大きな流れの中では最後の一角にあたる、かなり狭い領域です。10年以上もそれに携わってきたので、もう少し広く事業全体に関わることもやってみたい気持ちが出てきました。そうなると自治体で働くのは魅力的な選択肢になってきますよね。 神戸市役所を選んだのは、神戸に住み始めて14年になるからです。もともとは関東出身で、就職で大阪に来て、結婚を機に神戸へ。すっかり愛着を感じるようになりました。絶対に自治体でというよりは、このまちで働きたかったという感覚の方が近いかもしれません。

Q働き方はどう変わった?#2

民間時代と働き方はどのように変わりましたか?

N.Y.さん

仕事の進め方に対する考え方が変わりました。前職ではプロジェクトを予定どおりに進めることが一番の目的でした。自治体で働く場合、目の前の1件1件を追いかけるというより、中長期的な視野を持って、次にこれが必要になりそうだから、そのために今はこちらを先に進めておこうといった組み立て方をします。 転職の動機の一つが、仕事の幅を広げたいというものだったのですが、それは実感しています。今まで関わることのなかった分野の知識も必要で、教科書レベルでは知っている内容でも、実務となると深く理解する必要があるので、一から勉強し直しているところです。

O.M.さん

営業職は目標も評価も数字によって可視化されるので、評価が見えやすいという良さがあります。一方で自治体の仕事、特に私が配属された区役所では、成果を数字で示すことが難しい面があり、その点では大きく異なります。 ただ、人との関わりが大事であるという点は民間でも行政でも同じだなと感じています。コミュニケーションを取りながら、課題を聞いて、どうなると相手にとって良いのかを考えていく。「こうしたいけれど、ルール上、難しい。せめてここまでならどうですか?」という落としどころを探るなど、課題の中身はまったく違いますが、交渉や調整の部分は前職の経験が活きていると感じます。

Q民間時代とのマネジメントの違いは?#3

マネジメントや部下とのコミュニケーションはどうですか?

O.M.さん

マネジメントに関しては、前職の場合は業務分担などもなく、全員が個人やチームの売上目標に向かって業務を進める場面が多く、比較的個人の裁量も大きい環境でした。現在は、人によって担当する業務も異なるため、部下の特性や業務量を考えながら事務分担を決めていく必要がありますし、年度途中であってもチームの状況に応じて見直すことも大切だと感じています。コミュニケーションについては、前職同様、相談が必要なことは適宜相談してくれますし、私自身も分からないことは周囲の皆さんに教えていただきながら仕事を進められていて、とても働きやすい環境だと感じています。

N.Y.さん

大きな差はないかなと思います。1人で解決出来ないことは、上司を含めたチーム内で相談して対応する。これは前職でも神戸市役所でも同じですね。また、部下への伝え方は前職時代から常に意識していました。相手にわかりやすく伝えることや、必要な情報を共有しながらチームで課題解決に取り組むことは、現在も変わらず大切にしています。

O.M.さん

前職が営業だったこともあり、部下の皆さんには、机に向かって仕事をするだけではなく、もっと外(地域)に出てほしいなと思っています。地域へ出向いて初めて分かる課題もあるので、促していきたいですね。

N.Y.さん

私も同じことを思っていました。前職ではもっと外に出て課題を拾っていましたね。なので、現場に直接出向いて機器を直接確認したり、現場の担当者と会話しに行こうと提案し実践しつつあります。現場に行けば、担当者から「実はこの機器の調子が悪くて・・・」なども拾えますし、何よりコミュニケーションが取れるので円滑に物事が進みます。

Q仕事のやりがいは?#4

係長級として神戸市で働くことのやりがいを、どんなところに感じていますか?

N.Y.さん

入庁する前は管理業務が中心というイメージを持っていたのですが、実際そのとおりでもあり、それだけでもないという感じです。担当業務の実務責任者として、事業の方向性や進め方について主体的に考え、提案できる立場です。もちろん大きな計画が決まっている中で動くことにはなりますが、自分で決められる範囲があるのは面白いところです。 技術職としての観点では、民間企業は1つの分野を深く追求していく世界です。行政はそれよりも広い視点で、全体を俯瞰するように仕事を進めていく。扱うものや関わるものごとの広さに興味がある方にとっては、魅力的な仕事だと思います。

O.M.さん

プレイングマネージャーとして働けるところでしょうか。前職では管理職になると、どうしても現場から離れて、組織のために動くことが中心になることも増えていきましたが、今は地域に出向いて直接お話ができる機会が多く、「やっぱり自分は現場に出る仕事も好きなんだな」と改めて感じています。メンバーからの相談も直接聞いて、自分の意見も反映しながら上にも相談できるのはすごくありがたい環境ですね。

Qあなたが考える神戸らしさとは?#5

お二人が神戸市で働いて感じるようになった、“神戸らしさ”について教えてください。

N.Y.さん

上司も周りの方も優しい方が多くて、とても話しやすい。そのあたりが神戸らしさかなと思っています。海と山に囲まれた自然豊かな環境と都市の機能が調和していること。そして震災からの復興も経験して、変化や課題に柔軟に対応してきたこと。そういうまちの成り立ちが、人や職場の雰囲気をつくっているのかもしれませんね。

O.M.さん

地域協働課にいるので地域の属性や実情をよく知ることができますし、地域活動を支えてくださっている皆さんの思いや熱意に触れる機会もたくさんあります。それが神戸らしさを知る機会になっています。去年は須磨区のスタンプラリーを担当させてもらい、「こんな場所に来てほしい」「須磨の魅力をみんなに知ってほしい」と、企画に取り組んだ思い出があります。神戸の魅力を自分たちの手で発信できることも、神戸らしさの一つかなと思います。

ありがとうございました!

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