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神戸市の取り組みから、"神戸らしさを守り、創る"プロジェクトなどを紹介いたします。

進むウォーターフロント再開発。まちの未来に携わる醍醐味とは。

神戸の海辺の将来像を描き替える仕事

アリーナや水族館などの新しい施設が次々と生まれ、今、大きく姿を変えようとしている神戸のウォーターフロント。その指針となる「神戸ウォーターフロントグランドデザイン」の最前線で、さまざまな業務に携わるのが神戸市役所の土木、建築区分の2名です。まちを構想段階から動かすスケールの大きさは、自治体職員だからこそ味わえるもの。そのリアルな業務とやりがいに迫ります。

K.K

港湾局ウォーターフロント再開発部 ウォーターフロント再開発推進課 係長 平成24年度入庁[大学卒・建築]

K.Kさん

建築住宅局で建築関係の審査を担当後、企画調整局都市デザイン課へ。市役所1号館1階の待合・喫茶スペースのリニューアルやデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)運営などを担当。その後、建築住宅局に戻り、令和5年から港湾局ウォーターフロント再開発推進課にて、中突堤周辺の再整備や夜間景観づくりを担当している。趣味は建築巡る旅行で、次に訪れたいのは建築家アルヴァ・アアルトゆかりのフィンランド。

R.K

港湾局ウォーターフロント再開発部 ウォーターフロント再開発推進課

R.Kさん

水道局西部水道事務所で、水道管の取替工事の監督を3年間担当。続く建設局技術管理課では、公共工事の総合評価制度の仕組みづくりなどに従事。港湾局では、ポートアイランドから六甲アイランドを結ぶハーバーハイウェイ(神戸港湾幹線道路)の管理を経験。現在は新港突堤西エリアのマリーナ整備などを担当している。趣味は漫画で、漫画喫茶でのんびり過ごすのが楽しみ。

Qウォーターフロントエリアで進む計画とは?#1

お二人が関わる「神戸ウォーターフロントグランドデザイン」について教えてください。

K.Kさん

2025年4月に、市として「神戸ウォーターフロントグランドデザイン」という計画を発表しました。2040年頃までに取り組みたい施策をまとめたもので、「海・山・空を感じ、みなとまちの歴史と未来をつなぐ、新たな価値創造」を大きなコンセプトに掲げています。神戸は海と山が近いのが大きな特色ですし、開港から約160年、港町として歩んできた歴史もあります。その歴史を大切にしながら、今の時代に求められるものを取り入れていく。新旧を両立させたい、という思いを込めています。

R.Kさん

計画ではウォーターフロントエリアを3つに分けています。メリケンパークや神戸ポートタワーのある中突堤周辺は、みなとまち神戸を象徴する観光地としての魅力にさらに磨きをかけていきます。古い倉庫や歴史的建造物が残る新港突堤西エリアは、マリーナの整備や宿泊・商業施設の誘致によってリゾート感を演出し、さまざまな要素が混ざり合うまちづくりを進めます。そして、2つのエリアを結び、三宮の都心にも近い京橋エリアは、阪神高速道路の南側の海を埋め立て、にぎわい施設や緑地などを整備し、ウォーターフロントのエントランスとしての機能を担います。2040年頃にはまったく違う風景が見られるはずです。

大きなプロジェクトの中で、お二人はそれぞれどのような役割を担っているのですか?

K.Kさん

私が関わっているのは、中突堤周辺の再整備です。2年前のポートタワーの大規模リニューアルでは、工事・運営・契約に関わる多くの人をチームとして取りまとめる、統括のような立場で調整を重ねました。例えば、どのようなリニューアルで魅力アップさせるか(今回は屋上デッキを新設しました。)、工事期間中にどのように周辺で賑わいを創出するか、またより質の高い運営のため民間活力を導入するにはどのように契約するかなどについて、それぞれの担当とともに企画する仕事です。タワーのリニューアル後は、その周辺の緑地・道路の再整備、周辺用地の活用方法などを検討・計画しています。 また、合わせて担当しているのが夜間景観づくりです。かつて「1000万ドルの夜景」と呼ばれた神戸の魅力を受け継ぎながら、これからの時代にふさわしい新たな夜景のあり方を検討しています。例えば照明やライトアップを実際に試したり、ウォーターフロントエリアの民間事業者と話し合ったりしています。夜景は突堤の対岸や船、山の上から面として眺めるので、エリア全体で一つの景観をつくるという視点を大切にしています。

R.Kさん

私がメインで担当しているのは新港突堤西エリアのマリーナ整備です。大型プレジャーボートの係留に特化したマリーナを民間事業者が整備・運営し、隣接する緑地を神戸市が整備します。水上・陸上のどちらにおいても公共の場所に民間の施設を建てるので、どんな法令にもとづき、どんな許認可手続きが必要かを考えながら日々民間事業者と共に整備を進めています。民間事業者はその事業のプロではありますが、法律などのルールには不慣れな部分もあります。そこを間に立って調整する役割を担っています。 緑地にはマリーナを臨むレストラン・カフェといった飲食店入る施設もできるので、施設のしつらえに合わせてどういった緑地を整えるか、どのような手順で施工者につなぐのかなど、描かれたビジョンに対し、具体化していく作業を行っています。行政の仕事は「上流から下流まで関われる」とよく言われますが、私の仕事としては、計画の上流から、工事・運営という下流へ橋渡しをする役割かと思っています。

Q仕事のやりがいは?#2

仕事をする中で、どのような部分にやりがいを感じておられますか。

K.Kさん

一言で言うと、私は「まち」が好きなんです。自分が楽しめるものは何か、それをいつも念頭に置いて取り組んでいます。自信を持って「おもしろいでしょ」と言えないものは、人にも勧められませんから。建築というと建物を設計するイメージが強いかもしれませんが、建物を建てることがゴールではなく、どう使われるかが大切だと思います。だから、新たな魅力や価値につながる取り組みであれば、柔軟な発想で形にしていけるところが、この仕事の醍醐味だと思っています。

R.Kさん

エリア開発の成果を測るのは難しいのですが、私はどれだけの人がここへ来て、楽しんでくれるかが大切だと思っています。普段、海水浴でもない限り、人はなかなか海辺に近づきません。でも、全長30mほどの船が数多く泊まっていれば、景色そのものが変わると思うんです。「あの船が泊まる海辺の景色を見に行こう」と目的地になり、近くのカフェで休憩したり、アリーナでのイベントまでの時間に景色を眺めて過ごしたりするようになる。そんな風に来た人が楽しむ姿を想像しながら、木をどのように植えるか、ベンチをどう配置するかを考える。市民や来訪者といった多くの人にとって使いやすい空間にするにはどうすべきか意識して考えることに自治体職員としてのやりがいがあります。

自治体の技術区分だからこそ携われる業務や民間企業との違いは、どのような点にありますか?

K.Kさん

正直、民間のデベロッパーと似ているところも多いのですが、あえて違いを挙げるとすれば、事業について判断する時の指標が複数あるというところでしょうか。「これはまちにとっていいか」「利用する人にとっていいか」といった、利益に直結しない価値を大切にできる。公共空間を扱う場合、金銭的な利益は生まれづらいのですが、だからこそ行政が主体となって担う意味があります。 神戸は阪神・淡路大震災からの復興を経て、今ようやく海辺や都心を変えていくフェーズにあります。すでにある程度完成された都市では、なかなかこうはいきません。職員としてまちのダイナミックな変化にリアルタイムで関わり、リードしていけるのが私たちだと思います。

R.Kさん

その意味では、神戸は都市の規模感がちょうどいい。山と海に囲まれ、市街地も把握できる広さだからこそ、「これは市が関わっている事業だ」という当事者意識を持ちやすいように感じます。また、神戸市は一般的な道路・上下水等の部局の他に、海に面しているため港湾の部局もあり、ほぼすべての技術分野での業務があるので技術区分の職員として公務員を志すなら、入庁してから何でも選べることのできる環境だと思います。

Q課題に直面した時はどうする?#3

R.Kさん

マリーナが整備される堤外地は、防潮胸壁の外側にあり、大きな台風によって潮位が上がれば浸水する可能性があります。そのため、もしもの場合に備えて排水施設を整えたり、電気設備は高い場所に設置したりといった工夫が必要です。さらに、既存の岸壁周辺に新しい建物や緑地を整備するので、新たな整備によって岸壁への影響が出ないか検討する必要もありました。もともと物流のために船をつけていた場所を、公園のような別の用途に再整備するので、様々な配慮が必要でしたね。

K.Kさん

このエリアで関わるのは民間事業者と関わる機会が多く、「多くの人に来てほしい」という共通の目標を持った方々と仕事ができます。だから、法令上の制約がある場合でも、どうすれば実現できるかを前向きに話し合えるところに、このエリアならではの面白さがあります。

Qあなたが考える神戸らしさとは?#4

K.Kさん

私たちが今携わっているのは、万人が想像する神戸の顔そのもののようなエリアですよね。その場所を、これまでのイメージに囚われない発想で、次のステップへ引き上げるために何ができるか。世界から選ばれるような新しい神戸らしさを創りたいですね。

R.Kさん

ウォーターフロントと言っても、観光マップなどで見るのはポートタワー周辺の風景ばかりですからね。私が関わっている東側のエリアも、新しい神戸の風景として「神戸ってこんな風に変わったんだ!」と、目的地にしてもらえる場所になるように頑張りたいと思います。

ありがとうございました!

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