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神戸市の取り組みから、"神戸らしさを守り、創る"プロジェクトなどを紹介いたします。

歩きたくなるまち、神戸へ。若手3人の熱き想いとは。

神戸の玄関口である三宮駅前を、 誰もが歩きたくなる魅力的な空間へ。

いま、三宮駅前で大規模な再整備が進んでいます。神戸の玄関口を、人々が集い、歩きたくなる空間へと生まれ変わらせるための一大プロジェクトです。土木・建築・造園という異なる分野のリーダーとして設計に携わる3名の職員に、プロジェクトに込めた想いを聞きました。

K.S.

都市局都心再整備本部 都心再整備部 都心三宮再整備課 令和2年度入庁 [大学卒・土木]

K.S.さん

都市計画課を経て、入庁4年目から現職。フラワーロードの再整備事業を2年間担当したのち、本プロジェクトに参画。おもに三宮駅前の歩道拡幅にともなう道路設計を担当している。 趣味は野球。

I.S.

都市局都心再整備本部 都心再整備部 都心三宮再整備課 令和元年入庁 [大学卒・建築]

I.S.さん

一級建築士。入庁後5年間は、建築住宅局建築課にて垂水図書館の設計・工事などに従事。この2年間は現職にて、三宮駅前の歩道デザインと三宮駅前やサンキタのエリアマネジメントを兼任している。 趣味はキャンプ。

O.Y.

都市局都心再整備本部 都心再整備部 都心三宮再整備課 令和2年度入庁 [大学卒・造園/森林]

O.Y.さん

造園/森林として入庁し、建設局垂水建設事務所にて公園などのマネジメントを2年間経験。現部署は4年目。課内唯一の造園/森林の職員として、本プロジェクトの植栽デザインとエリアマネジメントを手掛けている。 趣味はサッカー。

Qあなたが神戸のために取り組んでいることは? #1

都心三宮再整備のメインパートともいえる、三宮駅前の広場空間の再整備。この一大プロジェクトを、若手のみなさんがたった3人で担当されているのですね。

K.S.さん

はい。もちろん上司や課のメンバー、専門家や有識者の方々に助けていただきながらではありますが、私たち3人で担当しています。このプロジェクトの趣旨をひとことで言うと、新たに建設される三ノ宮新駅ビルにあわせてその前の歩道を拡幅し、広場空間をつくることで、「ひとが主役の居心地のよい空間」にすること。私は、そのための道路設計をおもに担当しています。

I.S.さん

私の担当は歩道部分、つまり広場空間の設計デザインです。これまでは建築物の設計ばかりで、歩道の設計ははじめての経験なので、正直なところ戸惑うことも多いです。でも、道路設計の経験を積んでいるK.S.さんが細かくサポートしてくれたり、O.Y.さんがほかのまちの事例をシェアしてくれたりして、分野は違いますが協力しながら進めています。

O.Y.さん

私はエリア全体の緑化デザインと、広場完成後の活用方法の検討を同時進行で担当しています。この課は若手が多く、この3人のメンバーも年齢が近いので、お互い気軽に相談しながら取り組むことができています。

具体的に、三宮駅前はどのような場所になるのでしょうか。

10車線を6車線に減らして歩道を大幅に拡大

もともとJR三ノ宮駅南側を東西にはしる道路は10車線あり、人よりも車が優先されている状態でした。駅前を通り抜ける都心に用事のない車を外周道路に誘導して通行量を調整し、今回6車線にまでぐっと減らして、駅前を「ひとが主役の空間」にしようとしています。 もちろん車線が減ることで渋滞が起きないように、事前に社会実験や交通量調査を繰り返しながら、周辺の交差点の改良も含めた対策を続けてきました。 いま行なっている設計では、どのようにすれば広場空間と共存できるのか。ロータリーへスムーズに出入りできるのか。雨水をうまく排水できるのか。そういった点も含めて考え、慎重に行なっています。

最大幅20mの歩道スペースを賑わいと憩いの場に

一般的な歩道は3~4m、広くても10m程度の幅員が多いのですが、この広場空間は最大で約20mの幅員があります。まさに、歩道という名の広場ができるのです。この広場空間の上空に、駅から繋がる歩行者デッキがつくられるのですが、デッキから降りてきた観光客や、ふらっと遊びに来た市民、待ち合わせの方、毎日三宮で働くビジネスパーソンなど、誰もが快適に過ごせる場所にしたいと考えています。歩きやすいだけでなく、疲れたら気持ちのいい緑に囲まれたスペースで休んだり、カウンターテーブルでPCを開いて作業をしたり。広場空間で思い思いの過ごし方ができるよう、さまざまな人のことを思い浮かべながらデザインを検討しています。 さらに、駅からまちへ出る動線から見える場所にイベントスペースを設けて、神戸の玄関口をワクワクする場所にしたい。そんな想いで、歩行者の動線計画、ベンチや照明、植栽のレイアウトを考えています。

四季を感じる植物に癒やされる居心地よい空間に

広場には、空間の個性に寄り添った植栽デザインを取り入れる予定です。植物ならなんでもよいということではなく、憩いの場には落ち着きを、ランドマークとなる場所には、訪れた瞬間に印象に残る華やかさを。季節ごとの彩りや美しい樹形、心地よい木陰が生まれるよう、一本一本の植物をていねいに選んでいます。 また、植物の力を引き出す土づくりも大切な工程です。最適な土壌環境を整えることで緑が健やかに育ち、長く美しい景観を保ち続けられるよう、先々の管理のしやすさまで見据えて設計を行なっています。 ここに訪れる人の時間が、自然とともに豊かになるように。そんな想いを込めて、緑の空間をデザインしているところです。

Q大変なこと、やりがいを感じることは?#2

規模が大きく注目度も高いプロジェクトですので、大変なことも多いと思いますが、それらをどのように乗り越えているのでしょうか。また、やりがいも教えてください。

K.S.さん

確かに大変なことも多いですね。私たちが担当している広場空間の周囲では、三ノ宮新駅ビルや歩行者デッキなど、さまざまな事業が展開しているので、お互いにバランスを取りながら進める必要があります。 いまも詳細な設計を行なっているタイミングなのですが、特に大変なのは地下のインフラとの調整です。道路の下には、ガス管や水道管、電線など、さまざまなインフラ設備が埋まっています。新しくつくる道路の雨水排水ルートを決めるのに、地下の設計図とにらめっこしながら計画するのですが、どうしても交錯する部分が出てきてしまうんです。そこを各インフラ事業者さんと「この管の深さをもう少し下げていただけませんか」などと交渉・協議するという工程が、とても大変なんですよね。もうそれは、一つひとつていねいに解決していくほかないのですが……。

I.S.さん

交渉や協議って、本当に大変ですよね。私も歩道の照明設計で経験しています。道路としての必要な照度を確保しながら、デザインとして照明の軸を通して美しく並べたいのですが、街路灯の基礎って結構大きいんです。なのでインフラなどの地下埋設物があった場合、動かしていただけるか協議してみて、難しいようならデザインを変更する……。機能とデザインの両立はなかなか難しところですが、地道に調整を繰り返し、妥協点を見極めながら進めています。

O.Y.さん

私の場合、課内で唯一の造園/森林の職員なので、課のメンバーに緑の大切さ、奥深さを伝えることにも時間をかけました。みなさんを植栽工事の現場に招き、何度も一緒に体験することで、少しずつ理解を深めていただけたと思います。 また、私はエリアマネジメントも担当していて、広場空間をどう活用していくかを地域の方も交えて話し合う機会が多くあります。関係者が多いので、みなさんの顔とお名前をすべて覚えて親交を深めるところからはじめ、会話のなかで徐々に信頼関係をつくっていくということも大切にしてきましたね。

I.S.さん

私も、この広場で実際にエリアマネジメントを行うことを想定しながら、地域の方々、設計事務所の方々と協議をしながら設計を行なっていますが……。それぞれの想いがあるなか、決まったスケジュールに合わせて話をまとめていく必要があるので、本当に大変なんですよね。たくさん会話して理解を深め、うまくまとまったときには、ホッとするとともに大きなやりがいを感じます。

O.Y.さん

そうですよね。庁内に限らずたくさんの人と出会えて、協力しながら進められるのが、この仕事の魅力だと思っています。大変なことも多いですが、生まれ育った神戸が大きく変わる転換期に携われるなんて、めったにないこと。「自分の仕事が新しい神戸をつくるんだ」というよろこびを胸に、毎日やりがいを持って取り組んでいます。

K.S.さん

本当に大きなプロジェクトですので、私も関わることができて幸せです。でも異動してすぐのころは、はじめての道路設計ということで覚えることが多すぎて、夢にまで出てきたほどでした(笑)。

I.S.さん

私はまだときどき夢を見ますね……(笑)。でも「今しかできないこの三宮の再開発に携わりたい!」と思っていたので、日々学ばせていただきながら前向きに取り組んでいます。

Qあなたが考える神戸らしさとは?#3

今回のプロジェクトを通して感じた“神戸らしさ”とは、どんなところでしょうか。

O.Y.さん

このプロジェクトには約50名のメンバーが関わっているのですが、全員が前向きで、ゴールに向かってパワフルに進んでいく姿がとても印象的でした。私たちと同じ若い世代のメンバーも多く、上司とも気軽に意見交換ができる雰囲気があります。何か気になることがあればすぐにオープンスペースのテーブルに集まって、アイデアを出し合っていますね。 たくさんの人と人がつながり、そのつながりから新しいアイデアや挑戦が生まれ、最終的にまちが形づくられていく——。そのプロセスこそが、このプロジェクトを通して強く感じた神戸の魅力です。

K.S.さん

本当にそうですよね。そもそも駅前の主要幹線道路をこの規模で再整備するということ自体が珍しいことであるうえに、ほかにはない斬新な取り組みが多いようで、たくさんの自治体から視察に来られています。 また、私は神戸出身ではないので特にそう感じるのかもしれませんが、神戸の人っておしゃれで個性がありますよね。だからこそ、「ひと」を中心にしたまちに再整備する今回のプロジェクトは、まさに神戸らしいなと思っています。

I.S.さん

ひとに加えて、神戸のまちも魅力にあふれていますよね。ジーライオンアリーナでバスケットの試合を観たり、おしゃれして旧居留地に出かけたり、東遊園地でぼーっとしたり。そういったさまざまな顔があっていろんな楽しみ方ができるという神戸らしさ、神戸の魅力を、神戸の玄関口である三宮に降り立った瞬間から感じていただけるようにしたいですね。

完成を楽しみにしています。ありがとうございました!