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神戸市の取り組みから、"神戸らしさを守り、創る"プロジェクトなどを紹介いたします。

新2号館の誕生で、神戸市役所での働き方はこう変わる

「働く場所」から「働き方」を見直す。数十年に一度の庁舎整備に込めた思い

神戸市役所1号館のすぐ隣で、新2号館の建設が進んでいます。2029年9月の完成を目指す新庁舎は、市役所に加えてホテルやオフィス、商業施設も入ります。職員が働く執務フロアには、壁のないオープンな空間や業務に応じて働く場所を選べる仕掛けが計画されています。オフィスづくりを担当する庁舎課の職員に、新しい庁舎で実現したい働き方や市役所の将来像を聞きました。

S.T.

行財政局 庁舎課 係長 平成23年度入庁

S.T.さん

教育委員会事務局に配属後、行財政局、観光庁への出向、経済観光局(在籍中に1年間の育児休業を取得)を経て、2023年度から現職。本庁舎2号館再整備計画のうち庁舎部分の整備とオフィス改善を担当。趣味は海外旅行で、最近は香港やベトナムのダナンへ。日本とは違う雰囲気を味わえるアジアの国々を中心に旅を楽しんでいる。

Q再整備される神戸市役所新2号館とは?#1

新2号館について、どんな建物になるのか教えてください。

S.T.さん

新2号館は、地下2階・地上29階建てで、市役所の庁舎だけでなく、国際的なラグジュアリーホテルや商業施設が入る複合施設です。市役所はそのうち地下1~地上2階の一部と5~8階を占め、約1,400人の職員が働きます。 民間の機能と一つの建物に入るのには理由があります。新2号館の敷地は、北側の三宮駅周辺と南側のウォーターフロントとを結ぶ重要な位置にあります。ここにホテルやオフィスを整備することで、人の流れをウォーターフロントや旧居留地エリアへと生み出し、都心の回遊性を高めることを目的としています。 1階にはフラワーロードに面した市民利用空間を設けます。市民の方や神戸を訪れた方が気軽に立ち寄り、交流やにぎわいが生まれる拠点にしたいと考えています。イベントや市民活動に使えるスペースを備え、木のぬくもりを感じられる神戸らしい内装を計画しています。イベントがない日も、ふらりと立ち寄って休憩するような使い方ができる場所になればうれしいですね。

市役所フロアはどのような空間になるのでしょうか?

S.T.さん

新しい庁舎を建てるのは数十年に一度のこと。せっかくなら場所をつくるだけでなく、これをきっかけに働き方も変えていきたいと考えました。そこで、職員の声をもとに新2号館で働くコンセプトを3つにまとめています。 1つ目は「複合的な行政課題に対応する」。世の中が大きく変わる中で、一部署だけでは解決できない課題が増えているという実感が職員から多く寄せられました。部署を超えた連携はもちろん、市民や事業者の方とも連携しやすい環境が必要です。 2つ目は「スピード感を持って業務推進する」。人口減少に伴って職員数も減っていくことが予想されており、今と同じ働き方を続けるのは難しくなります。デジタルツールも活用して効率を上げ、成果を出しつつ、職員が自分の時間もしっかり確保できるようにしたいと考えています。 3つ目は「生き生きと働ける環境をつくる」。職場は1日の大半を過ごす場所です。お昼休みに職員同士で話しながらご飯を食べられる場所や、緑のある居心地のよい空間も必要だと思っています。

Q職員の働き方はどう変わる?#2

新2号館での職員の働き方はどんなふうに変わるのでしょうか?

S.T.さん

大きく変わるのは、部署ごとの壁がなくなることです。これまでは、部署ごとにキャビネット等で仕切っていましたが、新しいオフィスでは壁をなるべくつくらず、一つの空間に複数の部署が入ります。 また、働く場所を自分で選べるようになります。今は一日中ずっと自席で仕事をするのが一般的ですが、働きやすい場所は業務によって変わるはずです。電話に出ずに集中したいときは個人用の集中ブース、アイデアを出し合うときはカジュアルなミーティングスペース、気分を変えたいときは窓際のカウンター席や緑の多い場所というように、業務内容や気分に合わせて働く場所を変えられるオフィスにしたいと考えています。 上下階のつながりも意識しています。オフィス内はセキュリティ上、職員しか入れないエリアですが、その中に内部階段を設けて、いったん外に出なくても上下階を気軽に行き来できるようにします。会議室も各部署の専用ではなく共用にして、空いていれば別のフロアでも使えるようになります。 近年増えているオンライン会議にも対応し、会議室の遮音性など音環境に配慮し、一部の会議室にはオンライン会議用備品を備え付けにする予定です。市民利用空間でオープンミーティングやワークショップを開くなど、庁外の人ともつながりやすい市役所にしたいですね。

Q仕事のやりがいは?#3

この計画に関わることのやりがいをどんなところに感じていますか?

S.T.さん

新2号館の整備は構想から完成まで10年以上かかる長期のプロジェクトです。 数十年に一度の事業であり、完成後は70年ほど使う計画です。職員として働く期間のうちに、出会えるかどうか分からないタイミング。そこにこのポジションで携わり、整備に自分の考えを反映させられることに、大きなやりがいを感じています。 最初はこれまでとの違いに戸惑うかもしれません。それでも、明るく整ったオフィスで、業務内容に応じて「今どこで働くのがベストか」を自ら考え、働く場所や方法を選ぶ職員が増えていけば、この仕事に取り組んだ甲斐があったと思えるはずです。職員同士の自然なコミュニケーションが生まれる仕掛けもつくり、職場に愛着を持てる、「行きたくなる職場」を実現したいです。

現在の業務の中で、苦労した点やどのようにそれを乗り越えたのかを教えてください。

S.T.さん

難しさを感じるのは、自分一人では何も変えられないということです。新2号館の整備は単に場所をつくることではなく、将来を見据えて働き方を見直すことも大切なミッションです。だからこそ関係者を巻き込み、自分事として考えてもらわなければなりません。 だからこそ、まずは自分から情報を提供して知ってもらい、考えてもらうというプロセスを大切にしています。実際に働くのは職員ですから、上から決めて押し付けるのではなく、情報を発信し、議論にも加わってもらいながら、一緒に進めていくことを心掛けています。 もう一つ大切にしているのが、全体最適の視点です。職員の意見を幅広く聞くことは重要ですが、年齢も所属も職種もさまざまですから、全員の意見が一致することはありません。予算や面積といった制約もあります。俯瞰的な視点を持って、全体にとってどうするのが一番よいのかを考え、判断するようにしています。

Qあなたが考える神戸らしさとは?#4

この業務に携わる中で感じた“神戸らしさ”について教えてください。

S.T.さん

新2号館の整備に向けて職員と議論するなかで、今の働き方をポジティブに変えていきたいと思っている職員が多いと感じました。神戸市役所はもともと、先進的な取り組みをいち早く始めることが多い組織だと思います。新しいものを取り入れ、自ら進んで変わっていこうとする姿勢こそが、神戸らしさではないでしょうか。 社会が大きく変わっていくなかで、行政の課題もますます多様になります。働く環境が充実し、職員の意識が変わることで、一人ひとりの力が最大限に発揮される。そして市役所内はもちろん、市民の方や事業者の方ともつながり、ともに課題解決に取り組む。新しいオフィスがそのきっかけになることを願っています。

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