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神戸市の取り組みから、"神戸らしさを守り、創る"プロジェクトなどを紹介いたします。

「農業土木」の採用区分を新設。「農業」との違いを紹介します。

神戸市の農業を支える「農業土木」とは

洗練された港町や異国情緒あふれる街並みのイメージが強い神戸市。しかし、市の北部・西部には広大な農村地帯が広がり、都市と自然が隣り合わせで共存する全国でも稀有な環境を持っています。そんな中、従事者の高齢化と担い手不足の深刻化によって、老朽化が進む既存農業基盤施設の有効活用と効率的な保全対策が急務となっていることを踏まえ、「農業土木」区分を新設することとなりました。農業分野に携わる「土木」区分の職員と「農業」区分」2名の仕事内容の違いや、 どんなやりがいを持って働いているのかを紹介します。

M.H.

経済観光局農政計画課 令和元年度入庁[大学卒・土木]

M.H.さん

民間企業から神戸市役所へ転職。大学では、田んぼの害虫の生態系を保全しつつ管理する研究を行い、卒業後は環境調査コンサルタント会社へ入社。神戸市役所へ入庁後は港湾局で物流戦略課、海岸防災課などを経験。また須磨シーワールド開業に合わせた海岸整備も担当。令和6年度より現職。プライベートでは海外のカブトムシとクワガタの長期飼育に挑戦中。

C.T.

経済観光局農政計画課 令和2年度入庁[大学卒・農業]

C.T.さん

入庁後は農政計画課で新規就農のサポートに従事。その後、一般財団法人神戸農政公社へ出向し、「神戸・里山暮らし」などの農村地域振興を担当。農政計画課に戻った現在は土地利用や放置竹林の整備、道の駅の利活用などに取り組んでいる。趣味はキャンプとアニメ鑑賞、コロナ禍をきっかけに始めた熱帯魚の飼育。

Qそれぞれの視点から見る農政計画課の業務内容は?#1

お2人の仕事内容について教えてください。

M.H.さん

農業分野における土木区分の仕事を担当し、主に農地や農道の整備に取り組んでいます。具体的には、アスファルト整備ができていない農道の舗装などを行っています。また、農地や農道ののり面(山を削ったり土を盛ったりしてつくられた人工的な斜面)が豪雨などで崩れてしまうことがあります。そういった場所の復旧工事の設計や現場監督の役割を担っています。今年から「農業土木」区分が新設されたので、まだ当該区分の職員はいませんが、私の担当以外にもため池やパイプラインなどの水利施設、漁港に関する仕事もあるので、それらの仕事がメインになると思います。

C.T.さん

私は「農業」区分の職員として、循環型農業の推進や農村地域の活性化を担当しています。業務の1つとして、市内に約900~1000ヘクタール存在する竹林の適切な管理を進めており、竹を単に伐採するだけでなく資源として利活用するため、高騰しているおが粉の代替資材として畜産分野で活用できないか、さらに使用後は堆肥として農地へ還元できないかといった取組を関係機関と連携して進めています。実際に竹林の伐採に行くこともあります。ほかにも、農村地域の土地利用に関する「共生ゾーン条例」の運用にも携わっています。

Q「農業土木」区分と「農業」区分の仕事の違いは?#2

「農業土木」区分はハード面、「農業」区分はソフト面というイメージがありますが、実際の業務の違いはどんなところにあるでしょうか?

M.H.さん

「農業土木」区分は、農業分野に携わるという点では「農業」区分と同じです。広い意味での「土木」は道路や河川、港湾などの行政が管理する施設の整備や維持管理を担いますが、その中でも「農業土木」は農地や農業用施設を中心に計画を立て、様々な工事を行います。農業に携わる人や地域の思いを聞きながら、生産性向上や農業のしやすい環境づくり(ハード面)で農業の現場を支えているのが「農業土木」区分の仕事ですね。自然環境を保持しながら環境を整えていくことも重要です。

C.T.さん

「農業」区分で入庁した場合は、農家のみなさんの農業経営のサポートはもちろん、農村部と都市部をつなぐファーマーズマーケットなどの取り組みや、市民の方に農業に興味を持ってもらい新規就農につなげるなど、農家のみなさんがいかに農業をしやすく、続けやすい・始めやすい環境(ソフト)を整えていくかというのが役割ですね。私たち「農業」区分の職員は、市民の中でも特に農家さんや農村地域の方々との関わり強い部署に配属されることが多く、知識や経験を蓄えながら様々な農業振興・農村振興を進めています。

農業分野ならではの仕事の難しさはどんな点でしょうか?

M.H.さん

限られた予算と現況をすり合わせていくことに難しさを感じます。一般の土木工事とは異なり、自然(水・土)が相手ですし、農家の方たちの生活に直結していますので、みなさんが納得できる環境づくりをしていかないといけません。農家の方たちの文化も様々ですし、合意形成を得ることも簡単ではありませんが、生活に直結しているこの仕事ならではの醍醐味ですね。

C.T.さん

農作物には季節性があり、それに応じて行政側の支援も適切な時期に実施する必要がある点でしょうか。例えば、水稲栽培に対する支援の場合、堆肥購入の支援であれば冬から春頃、カメムシなどの害虫対策の支援であれば夏頃が適期となります。実施時期を逃してしまうと効果が得られず、次の機会は1年後となってしまうため、いつどのような施策を行うかが難しいと感じます。

Q仕事のやりがいを教えてください。#3

C.T.さん

長く神戸の農業に携わっていると、農家の方をはじめ、知っている農村地域の方が増えていきます。そんな中で、部署を異動した後でも「C.T.さんに聞いたら分かるかと思って」などと、頼ってもらえると嬉しいです。また、新規就農の支援をした方がその後成功し、軌道に乗っている様子を見た時もやっていてよかったと感じます。反対に、自分が新規施策を始めようという時に頼れる方がたくさんいることもありがたく思います。

M.H.さん

やっぱり、農家の方と直接かかわって「ありがとう」と言われることですね。「M.H.さんが来てからこういう風に変わって助かっている」と言っていただけるととても嬉しいですし、その言葉をもらうと、農家の方にとってのインフラを支えているんだなとしみじみ感じます。これまで農学で学んできたことや考えてきたことが役立ち、貢献できていると感じられることに充実感があります。

Qあなたが考える神戸らしさとは?#4

M.H.さん

神戸市と聞くと、海や港、都会的な街並みを想像する方が多いと思います。しかし、実は車で少し走れば、豊かな自然と広大な農地が広がる農村エリアにアクセスできます。「大都市」でありながら「豊かな農村」を持っていて、これほど都市部と農村部が近い距離で共存している政令指定都市は全国的にも非常に珍しいんです。 西区・北区の農村エリアは、神戸市において港などと同じく重要施設の扱いとなっています。これを社会基盤としてとらえ、PRをしっかりしていくことが大切ですね。農業用パイプラインの整備など、農村エリアを長く使える「施設」として、よりよい環境を続かせていくことが私たちの重要な役割だと考えています。「神戸の農業が持続し、発展していくための基盤づくり」に貢献していきたいですね。現場思考で、地域のために汗を流せる方と一緒に働けるのを楽しみにしています。

C.T.さん

ファーマーズマーケットや貸し農園などを楽しんでいる都市部の方も大勢いらっしゃって、消費者と生産者の距離や関係が近いというのは神戸の大きな魅力の1つです。都市と農村部の距離が近いからこそ、「大都市の消費者をどう農村に巻き込むか」を考えることが出来たり、農業に興味がある人ややってみたい人にとって、「週末だけやってみる」「まずは貸農園や観光農園で体験してみる」など、たくさんの選択肢が開かれたりしていることも神戸市ならではの魅力だと感じています。生産物の販売先がたくさんあるなど、しっかり稼げて、長く農業を続けていける環境づくりに今後も力を入れていきたいですね。「農業土木」と「農業」は切っても切れない関係ですし、神戸だからこそこの2つの区分が必要だと思います!

ありがとうございました!

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