
「森の未来都市 神戸」とはどういう取組み?#1

神戸のような大都市で、森林に焦点を当てた施策を進めている自治体はかなり珍しいと思います。どのような背景があるのでしょうか。
K.R.さん
市域の約4割が森林で、その9割は「里山林(さとやまりん)」が占めています。里山林というのは、コナラやクヌギといった広葉樹やアカマツが主体で、1000年以上前から人間が手を入れて利用してきました。人々は木々を伐採して薪や炭といった燃料とし、落ち葉を集めて肥料に使ってきました。 しかし1960年代になると、里山の林が放置されはじめます。というのは、農村でもプロパンガスや石油が普及したので薪や炭を使わなくなり、化学肥料が普及すると落ち葉の利用もなくなりました。放置された広葉樹林では、育ち過ぎた大木が増えて日光が地表に届きません。その結果、新しい樹木が育たずに老木ばかりになり、下層の植物も育ちづらい環境になります。すると土砂災害や倒木など防災上の問題が生じます。特に六甲山は急斜面が多いのでことさらに注意しなければなりません。 このような広葉樹林は、昔のように適宜伐採し、人の手で管理していく必要があります。すると切り株から芽が出て次の時代の林となります。しっかり新陳代謝させていかなければならない。これが「森の未来都市 神戸」という取組みが生まれた背景です。
森林を定期的に伐採していけばいいのですか?
K.R.さん
たしかにそれができればいいのですが、木を伐採して運び出すにはコストがかかります。コストを100%税金で賄うというのは限界があります。理想をいえば、伐採して次世代の森に変わるなかで、森林の所有者にメリットをもたらすことができれば、持続性が生まれます。なので、伐採した木を木材として利用し、経済価値を与えて、収益に繋げていく必要があります。定期的に人が管理すればその可能性は高まります。なぜなら、木は大きくなってしまうと切るのも手間がかかり、運び出すのも大仕事です。伐採の仕事を発注するときも、直径が40cmを超えると1本あたりの単価(伐採)費用も高くなり、技術的にも難しいので、できる事業者も限られてしまいます。 そこで樹木があまり大きくならないうちに手を入れることができれば好循環につながると思います。


